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かのじょとかのじょのねこ

已有 537 次阅读2011-5-12 09:29

Sec.1【イントロダクション】
季节(きせつ)は春(はる)の初(はじ)めて、その日(ひ)は雨(あめ)だった。
だから彼女(かのじょ)の髪(かみ)も、仆(ぼく)の体(からだ)も重(おも)く湿(しめ)り。
辺(まわ)りの雨(あめ)とてもいい匂(にお)いが満(み)ちた。
地轴(ちじく)が音(おと)をなくして、ひっそりと回転(かいてん)して
彼女(かのじょ)と仆(ぼく)の体温(たいおん)は世界(せかい)の中(なか)で静(しず)かに失(うしな)い続(つづ)けていた
「ただいま留守(るす)しています、ご用件(ようけん)をどうぞ」
その日(ひ)、仆(ぼく)は彼女(かのじょ)に拾(ひろ)われた。
だから仆(ぼく)は彼女(かのじょ)の猫(ねこ)だ。
Sec.2【彼女に日常】 (かのじょににちじょう)
彼女(かのじょ)は、母亲(ははおや)のように优(やさ)しく、恋人(こいびと)のように美(うつく)しかった。
だから、仆(ぼく)はすぐに彼女(かのじょ)のことが好(す)きになった。
彼女(かのじょ)は一人(ひとり)暮(く)らしで、毎朝(まいあさ)仕事(しごと)に出(で)かける。
仕事(しごと)の内容(ないよう)は知(し)らない、兴味(きょうみ)もない。
でも、仆(ぼく)は朝部屋(あさへや)を出(で)て行(い)く彼女(かのじょ)の姿(すがた)が凄(すご)く好(す)きだ。
きちんと束(たば)ねた长(なが)い髪(かみ)、微(かす)かな化妆(けしょう)と香水(こうすい)の匂(にお)い。
彼女(かのじょ)は仆(ぼく)の头(あたま)に手(て)を载(の)せて、「行(い)ってくるね。」と声(こえ)を出(だ)して、
背筋(せすじ)をぴんと伸(の)ばして、気持(きも)ちのいい靴音(くつおと)を响(ひび)かせて、
重(おも)い鉄(てつ)のドアを开(あ)ける。
雨(あめ)に濡(ぬ)れた朝(あさ)の草(くさ)むらの匂(にお)いが、しばらく残(のこ)る。
Sec.3【彼の日常】 (かれのにちじょう)
夏(なつ)が来(き)て、仆(ぼく)にもガールフレンドが出来(でき)た。
子猫(こねこ)のミミだ。
ミミは小(ちい)さくて、可爱(かわ)くて、甘(あま)えるのが凄(すご)く上手(じょうず)で。
でも仆(ぼく)はやっぱり、仆(ぼく)の彼女(かのじょ)みたいな大人(おとな)っぽい女(おんな)の人(ひと)のほうが好(す)きだ。
「ねえ、チョビ。」
何(なに)、ミミ?
「ケッコンして。」
ね、ミミ、何度(なんど)も言(い)ったけど、
仆(ぼく)は大人(おとな)の恋人(こいびと)がいるんだ
「うそ。」
うそじゃないよ。
「あわせて。」
ダメだよ。
「どうして?」
ね、ミミ、何度(なんど)も言(い)ったけど、
こういう话(はなす)はもっと君(きみ)が大人(おとな)になってから、とか何(なん)とか。
こんな话(はなす)がずっと続(つづ)く。
「また游(あそ)びに来(き)てね。」
「绝対(ぜったい)来(き)てね。」
「ほんとにきてね。」
「ほんとに、ほんとに来(き)てね。」
Sec.4【彼女の寂しさ】(かのじょのさびしさ)
こんな风(かぜ)に、仆(ぼく)の初(はじ)めての夏(なつ)は过(す)ぎ、
だんだん凉(すず)しい风(かぜ)が吹(ふ)くようになって、
そういうある日(ひ)、长(なが)い长(なが)い电话(でんわ)の后(あと)、彼女(かのじょ)が泣(な)いた。
仆(ぼく)には理由(りゆう)は分(わ)からない、でも、仆(ぼく)の隣(となり)で、长(なが)い时间(じかん)泣(な)いた。
悪(わる)いのは彼女(かのじょ)じゃないと思(おも)う。
仆(ぼく)だけはいつも见(み)てる。
彼女(かのじょ)は、いつでも、谁(だれ)よりも优(やさ)しくて、
谁(だれ)よりも绮丽(きれい)で、谁(だれ)よりも悬命(けんめい)に生(い)きて。
彼女(かのじょ)の声(こえ)が闻(き)こえる。
谁(だれ)か~谁(だれ)か~谁(だれ)か
「谁(だれ)か助(たす)けて!」
Sec.5【彼女と彼女の猫】(かのじょとかのじょのねこ)
当(あ)てのない暗暗(あんあん)の中(なか)、仆(ぼく)たちは乗(の)せたこの世界(せかい)を回(まわ)り続(つづ)ける。
季节(きせつ)が変(か)わって、今(いま)は冬(ふゆ)だ。
仆(ぼく)にとっては初(はじ)めて见(み)る雪景色(ゆきげしき)、
ずっと昔(むかし)から知(し)っているような気(き)がする。
冬(ふゆ)の朝(あさ)は遅(おそ)いから、彼女(かのじょ)が家(いえ)を出(で)る时间(じかん)になっても、まだ外(そと)は暗(くら)い。
分厚(ぶあつ)いコートに包(くる)まれた彼女(かのじょ)は、まるで大(おお)きな猫(ねこ)みたいだ。
雪(ゆき)の匂(にお)いを身(み)に缠(まと)った彼女(かのじょ)と、
彼女(かのじょ)の细(ほそ)い冷(つめ)たい指先(ゆびさき)と、はるか上空(じょうくう)の黒(くろ)い云(くも)流(なが)れる音(おと)と、
彼女(かのじょ)の心(こころ)と、仆(ぼく)の気持(きも)ちと、仆(ぼく)たちの部屋(へや)
雪(ゆき)は全(すべ)ての音(おと)を吸(す)い込(こ)んで、
でも、彼女(かのじょ)が乗(の)った电车(でんしゃ)の音(おと)だけは、
ピンと立(た)ち上(あ)がった仆(ぼく)の耳(みみ)に届(とと)く。
仆(ぼく)もそれからたぶん彼女(かのじょ)も、
「この世界(せかい)のことを好(す)きだと思(おも)う」
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